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「在学中に優勝しないと、悔いが残る」との思いから、つかんだ栄冠
チーム名:「IPFactory」
情報科学専門学校

MBSD Cybersecurity Challenges 2022にエントリーされた全国27校・105チームの中から、栄えある最優秀賞を獲得したのが情報科学専門学校の情報技術サークル「IPFactory」です。「IPFactory」は過去にも2回、最優秀賞に輝き、今回が3度目の受賞となりました。プレッシャーとの戦いにも打ち勝ったチームメンバーの橋本さん、養田さん、紫関さん、森岡さんに、コンテストへの参加経緯や感想などについて伺いました。

IPFactory・メンバー

(左から)
情報セキュリティ学科4年:紫関 麗王 さん
情報セキュリティ学科4年:養田 篤也 さん
情報セキュリティ学科4年:橋本 俊甫さん(リーダー)
情報セキュリティ学科3年:森岡 優太 さん

入学当初から知る思い入れの強いコンテストでの優勝

―最優秀賞の受賞、おめでとうございます。今回のコンテストを知った経緯や、参加の理由を教えてください。

養田さん:僕たちが2019年の4月に入学したとき、「IPFactory」はMBSD Cybersecurity Challenges2017と2018で2連覇していました。学校内には最優秀賞受賞を知らせる掲示や、コンテストのポスターが貼ってありましたので、コンテスト自体は入学直後から知っていました。
それで自然と、同じ学科のメンバーが参加していたサークル「IPFactory」に入って、そのメンバーと共にコンテストに参加することになりました。

―コンテスト期間は夜中の3時まで、オンラインで課題に取り組んでいたと伺いました。今回のコンテストではどのような苦労や困難がありましたか?

橋本さん:普段からセキュリティの力を付けようと、学校の授業だけにとどまらず、外部のセキュリティコンテストやIPAの「セキュリティ・キャンプ」に参加しています。週末とか平日の夜中にコンテストの課題に取り組んでいることが多かったですね。

紫関さん:他のコンテスト、例えばCKSとかだと、週末の5日間だけですからそれに比べるとMBSD Cybersecurity Challenges 2022は長かったです。神経がすり減りそうでした(笑)。

橋本さん:期間としては、1か月〜2か月くらいで、長かったですね。でも、入学当初から知っていた思い入れの強いコンテストで優勝することができて安心しました。在学中に優勝しないと、後悔するだろうなと思っていたので。

養田さん:そうですね、サークルの名前を背負っているのでいい意味でプレッシャーはありました。

―サークルでは、毎年参加するのが目標になっているのですか?

紫関さん:一昨年と去年はサークルでは参加していないですね。コンテストの課題内容によって…。

養田さん:そうですね、課題を見て、やりたい人が集まればサークルで参加するので、毎年ではなかったです。今年の診断の課題は、正直なところかなり得意分野で、自信があったので迷わず参加しようと決めました。

―苦手な分野も?

養田さん:昨年のMBSD Cybersecurity Challenges 2021には、別のチームで参加しました。「診断ツールを作る」という課題でしたが開発の経験はあまり積んでいなくて、半年ほど頑張ったもののあまり結果を出せず、しんどかったです。

紫関さん:3位には入賞できましたが、正直しんどかったですね(笑)でも、勉強になりました。

サークルは「自己研鑽できるコミュニティ」

IPFactory・インタビューの様子1

―先ほど、授業以外の学びの場に積極的に参加されていると伺いましたが、具体的にどのようなイベント等に参加されていますか。

橋本さん:僕以外の3人は「セキュリティ・キャンプ」に参加しています。先輩たちが、入学したての1年生だった僕らに「自分も参加しているよ」とオススメしてくれたのも影響しています。

―サークルでは、ふだんは勉強会のようなことをされているのですか?

森岡さん:いわゆる学生のサークル活動とは少し違っていて、コミュニティといったほうがイメージに近いですね。MBSDのコンテストのような外部コンテストやCTF(Capture The Flag)形式のイベントに参加したい人は、サークル内でメンバーを集めてチームで出場しています。それ以外にも、メンバーそれぞれの得意分野を各自で勉強して、サークル内のライトニングトークで情報共有や成果発表をしています。あえて活発にするような働きかけをしているわけではなく、セキュリティに対する知識欲が旺盛で活発な学内の人がサークルに集まっているという形です。
在校生の人数は30人くらいで、それ以外のメンバーを含めると50人くらいいます。

橋本さん:コミュニケーションはDiscordを使っています。いろいろな分野の専門家や勉強している方の情報が垂れ流しになっていて、そこで知らない情報を得たり、ほかの人が頑張っているのを見て「自分も頑張らなきゃ」と思ったりしながら勉強しています。

技術力のあるエンジニアへの興味が、所属企業への興味につながる

IPFactory・インタビューの様子2

―コンテストを主催した、当社に対するイメージは?

橋本さん:セキュリティベンダーとして、国内でもトップクラスというイメージはあります。所属されているセキュリティエンジニアの方も、高い技術力を持たれている印象です。MBSDのエンジニアがセキュリティ・キャンプの講師もされていますし、企業の公式ブログでもたくさん情報を公開されているので、組織としても技術力をどんどん吸収している人が集まっていると思います。

紫関さん:自分の就職先の一つとして、セキュリティベンダーをいくつか見ていて、一般的な学生視点で見ると、規模の大きな企業のほうが候補に残りやすい気がします。MBSDもその一つで、企業としての安定度と、自由度のバランスが取れているという印象があります。

養田さん:安定感が大きいというのは、私も思っていて。ベンチャーにはない安心感があるのかなと思いました。

―企業やエンジニアと接点を持ちたいと思われますか?

紫関さん:以前、MBSDのエンジニアの方が「IPFactory」向けに講義をしてくれました。それがかなり面白かったです。イベントや交流会といった大がかりなものでなくても、サークルに講義に来てくれるだけでも、セキュリティに興味のある生徒は自然と集まると思います。

橋本さん:確かに、現場のセキュリティエンジニアが講義をしてくれるという機会は、恐らく学生が一番求めているものだと思います。学校の授業での話は、必ずしも最先端のセキュリティシーンが反映されているものではないですし、実力のある方の講義を対面で受けられたら、ものすごい刺激になりますね。企業に興味を抱くときも、企業そのものに興味を持つというよりは、エンジニアの技術力や知識に興味を持ってから、その人の所属企業に興味を持つようになります。

ミッション達成の瞬間の喜びが、セキュリティを学ぶ醍醐味に

―皆さんが、セキュリティを意識したきっかけは、どのようなことでしたか。

養田さん:入学直後にMBSD Cybersecurity Challengesというコンテストがあるのを知ったのと同時に、セキュリティという分野があることを知りました。セキュリティの知識が豊富な先輩方が学校にいたので、自分でも触ってみようと思ったのが意識するようになったのがきっかけです。いろいろと知っている人と一緒に学んだり調べたりしているうちに、Webセキュリティを楽しいと思うようになりました。

橋本さん:中学のころに読んだSF作品で、登場人物がハッキングしている描写がすごくカッコよくて。技術的なことはまだ何も分からなかったのですが、そのカッコよかった記憶を心に秘めていて、こういう世界なら情熱を注いで頑張れそうだと思ったのがきっかけです。実際、学校に入って勉強を始めてみるとセキュリティは面白いですね。

―どのようなときに、セキュリティを学ぶ醍醐味を感じられるか、教えてください。

紫関さん:必死にやってるときです(笑)。

橋本さん:どの分野でも一緒だとは思いますが、パズルをひもとくような作業の末に、最後まで到達したときの達成感を味わえるのが面白いですね。あの一瞬の喜びのために、勉強しているようなものです。あの瞬間は脳汁が出てきますよね。

―「一瞬の喜び」のための勉強の積み重ねが、優勝につながりましたね。次回のコンテストでは、2連覇という先輩方と同じ達成感を味わえることを祈っています。

IPFactory・インタビューの様子3

IPFactoryのオリジナルTシャツ&パーカーで臨んでくれました!